主演の人と菅田将暉の演技力半端ない。
エンドロールで見覚えのある芸人さんの名前がたくさん出てきていたけど、久馬さんしかわからなかった。
オードリーのラジオは聞いていないが、原作は読んだ。自己陶酔的なところもあり、あまり刺さらなかった。でもお笑い論などは興味深かった。
この映画は主人公の心情がほとんど語られないので、本当に異常者を見ているようだった。狂気的なまでに取り憑かれたお笑いへの執着。それは自分への絶望や社会への不満だったりがあるだけで、根性とか努力とかの領域を軽く凌駕していると思う。
ハッピーエンドじゃないところもいい。
共感はできないし、でもここまで命賭けられるのは素直に尊敬できるし、コミュ障だからこそ作品でしか語れないってのも真の芸術家っぽいし、生き様が完全に破滅型のアーティストだった。セッションだったり、ジョーカー的な雰囲気も感じる。
人間関係が下手で、だけど自分をひたすら貫くことでしか世界を変えられないことを理解していて、だけどどうしようもなく生きづらい。その不器用さに泣いてしまった。
おかんやピンクやヤクザや若林だったり周りが優しいのがまた辛い。
音楽なども迫力があって面白かったが、予告の期待は超えてこなかった。