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笑いのカイブツのeryuのネタバレレビュー・内容・結末

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 岡山天音さん演じるツチヤさ、いわゆる「普通の人」ではなくて、「奇人」だったと思う。だからこほ、何かに情熱を注いでいる人にとって普通の世界・社会は生きづらくて、この「普通」の中でただ好きに目向けて生きることはすごく難しいと思う。
 どうしても好きなことだけをすることは難しくて、好きなことのためにやりたくないこともやらなければならない。それが仕方のないことだと「普通の人」は思ってしまうけれど、何で好きなことだけできないのかと思ってしまうのは、そりゃそうかと納得もできる。
 好きなことをしたい、でもそれ以外はできない、けれどするしか好きなことはできない、その狭間でもがき苦しむツチヤが描かれていた。
 ツチヤは最初から「カイブツ」だったけれど、カイブツになるほど好きを追求できることはすごいと思う。けれどカイブツになったらもう普通の人間として生きることはないんだろうとも思った。
 そんな「奇人」を演じていた岡山さんが、本当に笑いをカイブツとして追求している人で、周りなんかどうでもいい、どうでもいいから早く俺の才能に気づけ!という貪欲さ、熱意がすごく伝わってきた。
 ピンクが、ツチヤに対して「お前が生きようとしてる世界は地獄じゃの」と言った時、私もそういう世界で生きようとしてるんだと感じてぐっときた。その覚悟を持って生きていく、進んでいかないといけない。
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