1941年のモスクワ攻防戦において、若く戦闘経験のない兵学校士官候補生たちが前線に送られ、ナチスドイツ侵攻に対して果敢に戦った実話を、砲台手アレックス(アルチョム・グビン)と親友ディミトリ(イゴール・ユージン)、看護師を目指すマーシャ(リュボフ・コンスタンチノワ)を中心に描く。
スケールと戦闘の映像はすごい。
「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」は娯楽アクションとして面白かったけど、こちらは過酷な戦場の様子がビシビシと伝わってくる。
出てくるのはほぼ若者ばかり。血みどろの戦いの中でアレックスとディミトリとマーシャの関係だけが青春を感じさせ、逆にその行く末が悲しすぎる。
たくさんの登場人物がそれぞれ個性的なのが良くて、家族思いのアリョスキン中尉が一番かっこよかった。
ただ、戦場の位置関係が全く分からないのが辛かった。そこを理解できればもっとハマれたかも。
ロシア映画のレベルの高さを感じさせる一本だったけど、結局はプロパガンダと考えるとゲンナリ。
世情が映画の評価に影響してしまうのが悲しいし、昨今の侵略行為も後に美化されて映画になるのではと考えると恐ろしい。