ほーりー

マルクス一番乗りのほーりーのレビュー・感想・評価

マルクス一番乗り(1937年製作の映画)
3.5
今回の舞台は競馬場に隣接する療養所。そもそも療養所というのは静かで穏やかな場所にあるものであって競馬場の隣に作っていいものだろうか。

療養所の経営難に頭を悩ませているモーリン・オサリヴァンは、患者で大金持ちの夫人(相変わらずのマーガレット・デュモン)を取り込んで資金を援助してもらおうと、夫人お抱えの医者を呼び寄せて療養所の医長にしようと画策する。

が、その肝心の医者グルーチョの正体は獣医でとんだ藪医者だった!

すっかり毒気がなくなったマルクス映画。あの大傑作『オペラは踊る』と同じくらい大ヒットした作品だけど、製作中にアーヴィング・タルバーグが亡くなったせいかパワーダウンしているような気がする。

喋れないハーポが必死にジェスチャーでチコに窮状を伝えるシーンとかすごく可笑しいけど、どちらかというと音楽映画になっちゃったという感じ。元々音楽センスの高かったマルクス映画だけど、本作ではクレージーな部分が鳴りを潜めて、そちらの方に舵をきったと思われる。

確かに劇中のダンスシーンは力が入っているだけあって凄い見ごたえあったけど、映画として必要かと言われるとウ~ン……。

■映画 DATA==========================
監督:サム・ウッド
脚本:ジョージ・オッペンハイマー
製作:サム・ウッド
音楽:ブロニスラウ・ケイパー/ワルター・ユルマン/フランツ・ワックスマン
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
公開:1937年6月11日(米)/1938年3月(日)
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