ねぎおSTOPWAR

女神の継承のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
4.5
いやいや、良い!!
怖いの大丈夫であればおススメします。


ナ・ホンジンの監督作ではないものの、見事に「チェイサー」と「哭声」からの流れを汲んだ作品でした。

ナ・ホンジンさんは敬虔なクリスチャン。
で、地元の神バヤン(架空w)が中心となるので「んっ?これは原作がそうだからなのか、監督の脚色なのか、ナ・ホンジンの意図するところなのか・・」などと考えながら観ていました。
いずれにしろベルイマンも問うていた《神の不在》というのはキリストにしろバヤンにしろ言うところで、人間とを繋ぐ巫女という存在はカトリックで言う神父であり、悪霊とは悪魔。
二つの神への祈りが交互に映された場面もあったから、対比なのか同一化なのか何かしらの意図は感じられました。

ある種ミスリードと謎解き構造も併せ持つこの映画は、様々な驚きを隠しながら、タイの風俗や日常的なものを見せてくれています。
仏教国であるということは広く知られていますが、実は日本と同じようにあらゆるものに神がいるという考え方(ピー信仰と呼ぶそうです)は古くからあったそうです。自然の変化変容、災害などは全て神の意思と人間の行いと関係している・・・ってことですかね。

本当にチラッとですが、ゲイ?かどうか体は男性だけどメイクで女性になっている方も出てきます。また、相当セックスに大らかなのか!?と。
あと部屋の中や〇〇にも映っていますが悪霊を祓うためのものや呪いの道具など、なんか本当に日本と通じているように感じました。
タイのことをもっと知りたくなりました。

キャストですが、巫女のニムを演じた方ってタイの舞台俳優としてとても有名な方なんですってね。さすがの表現力でしたよねー。
また狂気のミン役の子もすっげーな!
バックには「哭声」「新 感染」でもゾンビなどの動きを付けたパク・ジェインさんがいたそうです。・・だからこそのミンの動きだったんですね。マジ恐怖。


まあね、いや、「猿轡かまして縛れよ・・」って話なんですけどねww

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韓国映画がこのところどんどん海外とタッグを組んでいます。国内に留まろうとしない映画人たちは最高ですね!
この意味でも日本映画界の閉鎖性と停滞が感じられます。
・・このナ・ホンジンさんがプロデュースしてタイに来たのは、肯定的に言えばそういうことで、穿った見方をすると、パワハラを指摘されていて国内では撮影が難しかったのかなという話もあるのかも。


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