脳みそ映画記録

女神の継承の脳みそ映画記録のネタバレレビュー・内容・結末

女神の継承(2021年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

この夏で一番良かったホラー映画!!

モキュメンタリーホラーって当たり外れが大きくて、なかなか当たらないけど当たると本当に面白い!
今回は稀有な大当たり!
タイ北部の土着信仰もので、じめっと湿度のある雰囲気がピッタリ。

モキュメンタリーからだんだんエクソシストや、パラノーマル・アクティビティや、ゾンビPOVっぽくなって異質な流れを踏んでいました。

パラノーマル・アクティビティのあのシーンは飛び上がるほどびびりました。それ以降ビクビクしながらみるハメになって、久しぶりにホラー映画を怖いものとしてみることができました。ミン役の女の子の動きとかめちゃくちゃ怖くて最高だった。

そもそも、シャーマニズムは目に見えないため、ある種の信仰がベースにないとなりたたないものです。
精霊がたくさんいるという日本で言う八百万の神々の考え方に近いため、日本人の精神に落とし込みやすい舞台であったと思います。
いろいろな精霊がいるので中には悪いものもいるでしょう。
 他者の体に憑依する。憑依先が受け入れない限り、悪影響を与え続けるという、女神バヤン自体が本当に良い精霊なのかわかりません。
そもそも、精霊に良いも悪いもなくてただ、"そういうもの"というのが正しい認識なのではないかと思います。
 今回、女神バヤンを模してミンに憑依しようとしたものは明らかに精霊とは違って悪意を持ったもので、自然発生したのではない人為的な邪悪です。八百万百の精霊とは格が違い、女神バヤンの能力を大きく超えるものでした。
赤ん坊の鳴き真似をして誘い出すのは、たしかそういう悪魔がいたように思います。明らかに人的な思考です。

最後のインタビュー映像はまたよかった!
 ニムにはシャーマンとしての力はあったが、女神バヤンを感じたことはなかった。おそらく、今まで口に出したことはなかったことでしょう。口に出したことによって、バヤン信仰の根底と自らの力に矛盾が生じ、悪魔に敗北したのではないかと思います。
 次にノイは物語終盤にバヤンの存在を感じるとはっきりと口に出しました。その直後、術師たちやアニは呪われて死にいたります。ノイが感じたのは果たして、本当にバヤンだったのか。個人的にはバヤンだったというのが一番面白いかなと思います。元々巫女としての適正はニムよりノイのほうがあったわけですし、ノイが巫女になったらバヤンの存在を感じることができたというのはあり得る話です。ただ、ノイは一度バヤンを拒絶した身です。継承した場所も最も不適切な場所であったともいえます。バヤンが怒りのあまり周りの人間を呪い殺してもおかしくないです。バヤン=味方というのは全くのエゴですからね。
 そして、次にミンの身に宿った人為的な悪魔が登場する。女神バヤンも人の悪意で作られたものには勝てず焚き上げられて敗北しました。