このレビューはネタバレを含みます
邪悪!
徹頭徹尾、良い意味で制作陣のピュアな悪意が満ちている。前半をきっちりモキュメンタリーで仕上げているのは、大きく2つの悪意があるように思った。
①モキュメンタリーからPOVホラーに一変し、視聴者を恐怖体験に没入させる悪意。特に、襲い来るミンから隠れるためタンスに身を潜めるシーン(VR青鬼)は、手が汗でじっとりした。
②恐らく、ニムに女神は降りていなかった事実を際立たせる悪意。エンドロールでニムの嗚咽を聞きながら、前半で懸命に女神へ祈りを捧げていた姿を思い出し、本当にげんなりした。
優れたホラー作品は、恐怖の先に悪意を見出せることが多い。そういった意味では、渾身の「邪悪」が込められた本作によって、真の恐怖を味わった。ありがとう……。