先日、池袋の新文芸坐にて「人が死に過ぎるホラーナイト」と題して開催されたオールナイト興行として劇場観賞してきました。本作はその２本目。
タイの山間部の村で今でも信仰されている精霊、女神バ・ヤンの巫女ニムのドキュメンタリーを撮るという体のPOV方式モキュメンタリー。
ホラー特有の怪異等についてはさして派手な特殊効果等は使われてなくて、あえて現地ロケーション、小道具、カメラワーク、そして何より演者の演技に寄るところが大きく、特にニムの姪ミンを演じた女優さんが素晴らしい。
んー、個人的には必然性を感じないPOV方式の作品はリアリティ追求の観点からは逆効果に感じることも多く、観る前は大して、というか全く期待してなかったのですが、本作に関してはその辺の違和感は最小限に抑えられてると感じました。
突っ込みどころが全く無い訳じゃないし、所々粗さを感じる部分もありますが、何せ演者が素晴らしい。
クライマックス前までは淡々と演技を感じさせない(徐々に不穏さは増す)日常が描かれており“人が死に過ぎる”の１作の割に全然死なないじゃないかとか思ってたら、クライマックスからは怒濤の展開。
でもそれだけだったら、投げっぱなしかよ？で終わってたと思う。
最後のシーンが入ったおかげで、私の中で本作は一躍トップクラス、近年稀に見る「傑作」に位置付けられました。
未だ観てない方はこんな所で呑気に人のレビュー読んでる場合じゃない、直ちに劇場に直行して頭空っぽにして、とにかく最後まで観てみてください。
既に劇場公開が終わってる地域の方は、配信若しくはDISC化まで余計な情報を入れずにじっとお待ちください。
分かる人には分かっていただけると信じてます。
断言します。本作は傑作です。
