最近のアジアンホラー、めちゃくちゃ高品質で怖いな。タイの農村ってのがモキュメンタリー感を醸し出しててよい。
これはインド〜東南アジアの宗教の特徴なのか知らないけど、信仰の対象の姿が、色鮮やかかつなんとなくおぞましい造形な気がするなあ。呪詛もそうだったけど。そもそも邪神と神は同一で表裏一体という認識があるのかな。民俗宗教のそこはかとない気持ち悪さが本当に良かった。
ストーリーとしてはとにかくとにかく伏線と風呂敷をばら撒いて結局最終的な解釈と結論は確定させず観る側に委ねた感じ。でもそれがねっとりした恐怖感を出してる。
ミン、序盤めちゃくちゃ美人さんだったのに豹変ぶりに震える…。カメラマン撮ってないで止めろよみたいなシーン多数…。ああそして汚くおぞましい…なんかエクソシスト感、唐突に出てくるグロ。日本のホラーだとグロ描写をどう?すごいでしょ?みたいに得意げに見せてきて白けちゃうんだけど、ガツンとグロい部分をサッと見せるのも非常にセンスがよい。サッと見せる方が作り物感がなくてむしろグロく見える。
まとわりつくジメっとした怖さと、驚かせるカメラワークと絵作りとタイミングのセンス、そして二転三転してくストーリーで、2時間超だけどあっという間。良いホラーでした。