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女神の継承のclydebarrowのレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
3.7
タイではK-POPが人気らしいが、韓国人にとってタイは、どういう位置付けなのだろう。「最も身近な、エキゾチックでミステリアスな熱帯の国」だったりするのかな。

ミン役の女優さん、容姿端麗なのに捨て身の演技で悪霊に憑依された若い女性を怪演。その母を演じた女優さんが岸田今日子(ひとまず「ムーミン」は封印して「砂の女」あたりを思い浮かべてください。)そっくりで、これまた別の意味でこわかった(笑)。
トレーラー映像で、ニム役の女優さんが「みなさん、こんにちは。私はちゃんと生きてますよ〜」と笑っていたが、とてもよくできたフェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリーというらしい。)なので、冗談ではなく勘違いする人もいるかも。

観終わって、神や精霊の両義性についてしみじみ考えてしまった。アジアにおける神と精霊が多かれ少なかれ自然と繋がっているなら、確かに自然は両義的であり、人間の道理や感情、知性や努力ではコントロールできないわけで。神も然り、精霊も然り。

一点、生理や経血が頻繁に出てくるのは不快だった。女性が霊媒体質を受け継ぐ一族の話だから、その女性性を強調したいのはわかるけれどね。母性とか女性性を生理に結びつけるのって、内なるミソジニーの現れだと思う。
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