麻菜

女神の継承の麻菜のレビュー・感想・評価

女神の継承(2021年製作の映画)
4.8
タイ東北部の村の祈祷師一族を取材するという設定で描かれた、タイと韓国による合同モキュメンタリー
ヒロインに、釈迦が説いた五戒を破らせることにより、タイの東北部に伝わる精霊ピーを通じて、カルマとは目に見えない何者かの仕業ではなく、人間が重ねてきた悪因が生んだ結果そのものだと説いている
儀式のシーンは、生えたツルの匂い、道具の重み、線香の炎を揺らす空気、何もかもが想像する必要なんてない、全て目の前で起きている出来事のようだった
監督のインタビューによると、エキストラたちはカットがかかったあとも、バヤンに手を合わせ続けていたらしい
映画の中のことだと知りながら
この儀式のシーンは、それほど素晴らしいものでした
映像が終わる直前、ニムが生前応じた最後のインタビューの光景
バヤンが自分の中にいるのかどうか、正直分からない
この一言で、息が止まった
リアルさ云々ではない、残された神秘性に思いっきり殴られました
麻菜

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