IT坊や

女神の継承のIT坊やのネタバレレビュー・内容・結末

女神の継承(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

アジアホラー。
「呪詛」といい、クオリティが凄い!日本はこんなに置いていかれてしまったのか。

まず、序盤からのジトジトした怖さ。生理や歯の出血、(生理を阻止するための?)セックス等、生々しい描写がきつい。ミンが美人だったので、狂っていく様のギャップが中々見事でした。

「継承」を迫る女神からの要求、という設定が良いですね!守り神でありつつ、人生を捧げることに追い込んでくる存在、という、なんかリアルな土着感が素晴らしい。

あとは、ニムの鋭い眼光がまた良い。
熟練の霊媒師の風格で、こんな難事件でも何とか解決してくれそうなオーラがあります。だからこそ、ニムが動揺するシーンはすごく心細くなる。バヤンの首が落ちていたシーンの、「これ、終わったわ」感が凄かったし、ニムが儀式前に死ぬ展開にはびっくりさせられました!

恐怖シーンも凄く良かった!
以下、お気に入りのシーン

① ミンが机の上におしっこをした後に、カメラに迫ってくるとこ
おしっこ漏らしてるのが見えにくく、画面に集中した途端にこれだよ!視線を見事に誘導されました!

② 階段の下から、ミンがゆっくり出てくるとこ
視界の端に気づいたらいる!というこの恐怖感。ギラギラした獣みたいな目も非常にグッド。

③ ミンが赤ん坊の声を出すとこ
化け物が「擬態」でひとを欺くシーンって大好き。めっちゃ怖くて最高です。その後、赤ちゃんを喰ってたぽいのも最悪すぎて良い。

④ 霊能者の弟子たちが犬になり、ディレクター?を食うとこ
編集をしたビデオを観ていた、さっきまで安全圏にいたはずの「こちら側」を、一気に恐怖に陥れるのがズルい。カメラを向けられたディレクターの内蔵が見えている、という手遅れ感。

もうね、畳みかけが凄すぎます。
最後の焼死の見せ方もすごく良い。

あとは、ニムのインタビュー。
あれだけプロに見えた彼女も、バヤンの存在を完全には信じられないでいた。不安定な中で、毅然とした態度をとっていただけ。不安を掻き立て、かつ哀愁もある、すごく味のあるラストでした。

霊が、途中ちょっと西洋の悪魔すぎるのと、正体がやや微妙に感じたことの2つを除けば、とても満足感のある作品でした。つくづく、最近のJホラーの残念さが身に沁みます。
だれか、こういうの撮ってくれないかな。
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