てっぺい

THE FIRST SLAM DUNKのてっぺいのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.5
【1番の映画】
昔熱中して読み漁った漫画がセルルック3D化される夢の世界。新しいストーリーが加わる事で、人物像が深掘りされ、原作がもっと好きになれる秀作。満足度は文句なしで“1番”の映画。

◆トリビア
○前作から17年ほど空いたこのタイミングでの製作となったのは、 『ジョジョの奇妙な冒険』や『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』など、同世代のジャンプ作品による再アニメ化の成功例や、今の最新の技術が後押しとなったと言われている。(https://realsound.jp/movie/2021/01/post-689661.html/amp)
〇本作のプロデューサーは、最初に原作事務所へオファーした2003年の時には断られるも交渉を継続、計5本の企画書と、パイロットフィルムを計4本製作。11年越しで映画化の許諾を得た。(https://www.slamdunk-movie-courtside.jp/interview/07)
○井上雄彦もはじめは乗り気ではなかったが、その熱意に押されて映画化を決めたと話す。(https://www.cinematoday.jp/news/N0133939)
〇原作漫画のシリーズ累計発行部数は1億2000万部以上。2006年には若いバスケットボール選手を支援するための「スラムダンク奨学金」が設立された。(https://slamdunk-movie.jp/about/slamdunk/)
○アニメ版で赤木剛憲の声を演じた梁田清之は、2022年11月14日、癌のため逝去した。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/梁田清之)
○アニメ版がYouTubeで期間限定(公開から各話2週間)配信中。(https://www.youtube.com/@toeianime_MC)
〇原作から本作のベースとなる24話を厳選収録した「SLAM DUNKジャンプ」が発売中。また、本作の特別本「THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE(リソース)」が12月15日(木)に発売予定。(https://slamdunk-movie.jp/news/2022101503.html)
〇声優がテレビアニメから一新されたことを、前売り券発売後に発表した“後出し商法”に、ネットでは批判が相次いだ。(https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/2150935/)
○本作の前日譚にあたる、宮城リョータの小6時代を描いた読切作品「ピアス」がYouTubeで閲覧可。(https://youtu.be/5fYdhHz-SuU)※リンク切れ注意

◆概要
1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメ映画化。
【原作・脚本・監督】井上雄彦
【声の出演】仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太
【主題歌】The Birthday、10-FEET「第ゼロ感」
【音楽】武部聡志、TAKUMA(10-FEET)
【公開】2022年12月3日
【上映時間】124分


◆以下ネタバレ


◆夢
5人がキレッキレのBGMとともに登場する鳥肌もののオープニング。3Dで見れたタプタプ笑。桜木の“ほっ”ダブルドリブルには声出して笑ったし、“諦めたらそこで試合終了ですよ”の名言もしっかり堪能。山王の“ぴょん”も懐かしかったし、“俺は今なんだよ!”にも当然しびれる。極めつけはあのブザービート。流川からの初パスに桜木が不慣れなジャンプシュートを決めて見せる一連を、一切サイレントで通すニクすぎる演出。桜木と流川のハイタッチで音がリスタートするまで、体感5分な没入感笑。昔熱中して読み漁ったあの漫画がセルルック3D化された夢の時間を大いに楽しめた。

◆宮城リョータ
弟思いの兄をとにかく慕っていたリョータ。兄の技術に追いつけずもがき続け、母を“怒らせてばかり”のリョータもやがて、バスケを続けさせてくれた母の想いに気づく。立ち尽くす兄を越えて母に寄り添った現在のリョータの描写は、兄から任命された“副キャプテン”を全うした姿そのもの。そこから彼が作った山王戦の円陣が、見事に勝利に導くあたり、新しい視点を原作に見事に織り交ぜた脚本の妙が光る。勝利後すぐにリョータが見上げた空には、“山王高校に勝つ”事を夢見ていた亡き兄がいるかのよう。成長した彼が母には少し大きく見えたのは当然だった。余談だが、“THE FIRST”がスラムダンクの原点という意味だけではなく、リョータが勤めるポジション(順番的には“1”)という意味も内包するのだとしたら、“THE SECOND”は、、

◆原画
原作は、電子書籍化されていない。原作の桜木と流川のハイタッチは見開き2Pをいっぱいに使った印象的なコマで、それが電子書籍だと伝わらない、そんな“コマ割り”のこだわりがその理由の一つと言われている。本作での冒頭は5人が原画から次第にアニメ化され、ラストカットは海外で活躍するリョータの表情が原画に戻る。井上雄彦は、「花道がいっぱいいるけれど、そのどれも「自分が描いたキャラクターとは別物だ」と強く感じていたんです。」と、メディアミックスへの違和感を語っている。本作のあの原画描写は、本作もスラムダンクの形の一つではあるけれど、あくまでも原作のスラムダンクが原点で、全てのスタートでありゴールだ、そんな原作愛の訴えのように自分には思えた。

◆関連作品
〇「SLAM DUNKジャンプ」
原作から本作のベースとなる24話を厳選収録した特別本。各ネット書店にて購入可。
〇「スラムダンク 吠えろバスケットマン魂!! 花道と流川の熱き夏」(’95)
劇場アニメ前作。上映時間は39分で、1995年夏の東映アニメフェアの上映作品の一つ。インターハイ予選決勝リーグ終了後からインターハイまでの約1ヶ月間が描かれる。プライムビデオレンタル可。

◆評価(2022年12月3日現在)
Filmarks:★×4.4
Yahoo!映画:★×3.1
映画.com:★×4.1

引用元
https://eiga.com/movie/94436/
https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_FIRST_SLAM_DUNK
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