井上雄彦の絵が動いているという感動。
鉛筆で描いた宮城リョータが動き出し、
また一人とまた一人と書き加えられて、
湘北メンバーが集っていくTheBirthdayのオープニングが渋いし、期待感が高まる。
レザボア・ドッグスのような始まりのようなワクワク感。
さらにキャラクターに色が付き、
ぬるぬるした動きでバスケットボールの試合そのもののスピード感で試合を展開していく。
説明がなくても動きが雄弁に語る。
花道のギャグがない分、緊張感が続き、
リョータが突破口をこじ開けるときにかかる10-FEETの轟音に気持ちが上がった。
BGMを絞ったシーンも息を飲むものがあり、
流川のパスからの三井の3ポイントはブワッと震えるものがあった。
リョータが主役なので、花道の出番が少ない分、突如スポットライトが当たる再起不能寸前の花道の4か月に亘る努力のフラッシュバックには涙でそうになった。
回想が多いのでテンポダウンしてしまうが、あの速い試合展開はぶっ続けで見たら頭に入らなかったろう。
原作で小学生の頃から背が低くて不利な状況はほんの少しだけ語られたが、
映画でリョータの半生を多くことでバスケ人生のどん詰まりの苦悩とフル出場で猛者に当たり続けた頑張りがより明らかになった。
世代ではあるがなんとなくしか知らず、この映画を機に漫画を読むきっかけができてよかった。
陵南の魚住が出てきたら笑っただろうけど、1番試合と関係ないからカットは妥当。