主人公はリョータ、現実のようなリアルな映像表現、キャラクターの動きはモーションキャプチャーで。漫画ではなく、アニメでもない新たな映像表現。
作家は何を描こうとしているのか?
井上雄彦監督は、漫画連載当時は20代で、現在は50代。今の価値観を通して作ったのが今作ということらしい。
エネルギー溢れる花道から、痛みと向き合うリョータへ。誇張表現はなるべくなくしてナチュラルに。
スラムダンクを読んでしばらく時間が経っている人に、あらためてスラムダンクとの出会いを届ける想いが込められているそうな。
作品鑑賞後は、公式サイトの井上監督インタビューを読むのがオススメ。
これらを踏まえて考えられることは?
最初にスラムダンクを読んでから30年くらい経つのかな。井上監督と同じく、様々な経験を通して変化してきた価値観。キャラクターの痛みと喜びへの共感で、心で作品を鑑賞していく。今だから楽しめる作品のように感じられた。
おまけ。
漫画原作を手放す人は評価が高く、漫画原作を大事にする人は評価が低い。
20代と50代、どちらの井上雄彦を好むのか?
漫画原作の映画作品はこうあってほしいという期待と、作品コンセプトのコンフリクト。
こういった部分を味わえるのも、作品のおもしろさあってのことなのかもしれない。