このレビューはネタバレを含みます
子どもの頃にTVアニメ版をなんとなく見ていて、各キャラクターの設定はざっくり覚えてるくらいの状態で観に行きました。
結果、とても面白くて熱い気持ちになりました。
まだ2023年始まったばかりだけど、おそらく今年のトップレベル。
事前に映画の情報を一切入れてなかったので、モーションキャプチャーのことは知らなかったけど、始まってすぐに「あれ?動きが変に人間っぽい…」と気になり、冒頭20分くらいはかなり違和感があった。
試合展開のスピード感もリアルに寄せたためか速く感じて、TVアニメ版では「試合残りあと何分!」っていう状態で1話使ったり、もどかしいくらいにしつこく見せてくれたのに対して、映画の序盤はNBAの試合を見てるかと思うくらい、最初はコートで何が起こってるのかついていけなかった。
作画はずっと等身大の人間の動きなので誇張やメリハリはほぼなく、アングルも全身かバストアップくらいでパターンが少ない。アニメーションのよさは薄まっているように感じました。
大事なセリフとか、もっとドアップにしてもよかったと思うシーンも遠目のアングルでさらっと流れます。
輪郭や着彩がアナログっぽくざらざらしてたり、背景が水彩っぽいのはよかったので、余計に"絵が動いた"歪な感じを残してほしかったな。
(リアルな人間の動きからアニメを起こしたという点では、ロトスコープを活かした湯浅政明監督の『ピンポン』の方が動きは断然のびのびしていて好きです。漫画家さんとアニメーションの監督を比べても仕方ないのですが)
時間とともに絵が見慣れてくれば、素材が間違いないのでもう感動でした。ストーリーもいいし、キャラクターもいい。
宮城リョータにあんな背景があったのは知らなかったなぁ。
桜木花道が歩くのもやっとの状態でスーパープレイ連発するのはちょっとご都合主義に感じなくもなかったけど、試合展開には最後までハラハラドキドキでした。
文化系だけど、「スポーツっていいね!」って気持ちになる作品。
安西先生の名台詞も聞けて満足。