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THE FIRST SLAM DUNKのstaysweetのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
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体験としては良いと思う。漫画版クライマックスの山王戦+回想など。観てたら記憶の底からキャラの特徴や名前が掘り起こされたもんね。
でもこれはやはり漫画を主軸としたスラムダンクという作品の1パートでしかないなあと思う。

何故って、これが作品初見の人にとってはまるで成り立たない。どんなキャラなのか、名前なのか、潔く端折ってる。部活ものは学年が分からないと関係性も分からないし、これがもう敵チームとなればぜーんぜんわからない。沢北が負け知らずでここまで来た人なのねって分かるくらい。そいつとマッチしてる流川がなんかこっちの実力派なのねって間接的にわかる。流川の普段からのキャラまでは全然分からない。喋らないし。(そういえば山王戦には親衛隊いないんだっけ?)

そんなわけで、漫画を好きな人にはたまらんだろうけど、「映画」としてはちょっと違うかな、という感想でした。アニメ感も薄いし、実験的なところがある。作者本人による別媒体バージョンの大型スピンオフ、ってかんじかな。企画としてはジャンプフェスタとかでやるものとして見るとしっくりくる。前提知識がなくて楽しめるかどうかはわからないので通常の映画としての鑑賞と同列には並べがたいけど、スケールとしてはしっかり映画。当初声優の件で批判が多かったけど、結果的には受けてよかったよね(個人的には木村昴の花道はずっとしっくり来ないままだった、けどそこまでイヤな感じでもない)。男性のライト層もリピーターしてる感じする。これも応援上映とかIMAX(臨場感!)とかすればおもしろいかもしんないね。


そういえばの追記:
作者はアニメでの演出があまり好きではなかったようで(30mくらいドリブルしてない?みたいな。まあ原作も3ポイントに数週かかったりしてたけど)そのリベンジというとこもあるらしい。言うてもリアルなら数秒のところが引き伸ばされたりはしてたけど…でもNBAも見慣れてる人のスピード感だったんだろうなと思う。
ただ、セリフの言い回し、掛け合いのテンポ、なにより原作での見開きが忘れられないあのふたりのハイタッチなんかは、それでも原作漫画のほうが優れていたなと思う。動かないのにね!
(思い出補正かかってるかもしれないのは否めないけど、原作の「添えるだけ…」ブツブツからの流れの必然性のほうがやっぱり見事じゃん??!)
※間違った記憶だったらほんとすまん
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