ダイナ

THE FIRST SLAM DUNKのダイナのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.1
原作のユーモア表現を抑え小エピソードが取捨選択された反面、登場人物の人生が濃く描かれていました。漫画でも充分に伝わる試合表現が、映像化によってスピード感をより強く感じることができます。三井を蘇らせる音のホールインワン感が心地良いです。「音」も映画ならではですね。

ピッタリと張り付かれるディフェンスのプレッシャーの執拗さがすごく伝わってきました。またフェイントかけてかけられて、リバウンド取って取られての攻防戦の切り替えの速さであったり、ボールがパスで連携されていく流れのプレーヤーが変わる変わる、そんでカットされて速攻、と目まぐるしいスピード感。映像化によって表現できたスポーツの醍醐味が素晴らしい。

また映像をどこから見せるか、視点についても目を見張るものがありました。コート内の映像を選手の背中に張り付いて追っていくだったり、少し上空から見下ろす視点で見せたり、本作の試合は現実の俯瞰視点のスポーツ中継ではなかなかお目にかかれないのでは?と圧倒されます。
→この辺り少し調べてみると、ラグビーW杯で試合の再現映像にCGを利用してみたなんてものがあり、コートの中をドローンが飛び回って撮ってるかのように再現されたその試合は本作に近しいものを感じました。今後の技術発展で可能かもしれませんが、選手にピッタリと密接した位置からの視点(選手視点でなく)をスピードに乗せて捉えるのは現時点アニメでしかできないのでは?

密に迫るキャラが絞られた結果、その他大勢の出番は省略されていますが個人的には漫画と映画別々に良い面があると受け入れてます。井上雄彦氏には是非新しい映像作品を撮っていただきたいです。自分がコートに立って選手を追ってるような臨場感は本作で蓋を閉じるのは勿体なさすぎるノウハウ。てかFIRSTならSECONDあると期待していいですかね?そういう意味では無い?
ダイナ

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