えにし

まわり道 4K レストア版のえにしのレビュー・感想・評価

まわり道 4K レストア版(1975年製作の映画)
3.4
曲がっているために店頭に並ぶことなく撥ねられてしまったきゅうりのような、そんな孤独を抱えた者たちが、同じ匂いに引き寄せられ、同じ時間を共有し、しかし最後にはそれぞれ違う道を選ぶ。そんな話。硬い殻に自分を閉じ込めることは「こじ開けてほしい」の裏返し。演技をしなければ自分の存在に気づいてもらえないことへの気づき。よく耳にする「根拠のない自信」というのは、自分の孤独はほかの誰のものでもない自分だけのものだと思えること、なのだと思う。そんなことを考えながら観ていた。
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