えにし

さすらい 4K レストア版のえにしのレビュー・感想・評価

さすらい 4K レストア版(1976年製作の映画)
3.2
パッと思い出せるのがクッソリアルな野グソと無修正OTIN-TINのシーンなので、俺の脳レベルは小学生のときのまま成長が止まっている可能性があると俺界隈で話題である。いわゆるロードムービー三部作を観てきて思ったのは「なんも起きなくても映画にしていいんだなぁ」というこれまた小並感なものであるけど、なんも起きないからこそ細部にきらめきが宿るのだとも思う。フィルムを巻き取る動作が次のシーンでトラックのタイヤの回転と重ねられているのはまさに映画的だし、「小銭ないの?」の回収に滲む可笑しい多幸感もロードムービーならではなんじゃないか。とりあえず俺は今のところ"さすらわぬ"側の人間になってしまっているため、"さすらおう この世界中を"側の人間になりたい所存である。「変化は必然だよ。またいつか会おう。」はヴェンダースからのメッセージのような響きを持っていたし。ていうか単純に全国映画館巡りしたすぎる…!トラックの先端につけられたミシュランマンと一緒にどこまでも…な旅もいいがなにせ俺には大型免許がない。だからといって、やべえ!取らなきゃ!というわけではなく、観客それぞれがそれぞれの「さすらい」を志向して思考して試行していけば良いのだと思う。期せずして映写技師映画(?)二本立てとなったので、これは映劇支配人ぜったい狙ってタイムテーブル組んだだろ!とみている。 
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