肇

さすらい 4K レストア版の肇のレビュー・感想・評価

さすらい 4K レストア版(1976年製作の映画)
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諍いがあったり絶望したり最終的に別れることになっても、人が人と出会って一緒に過ごす時間には全てその人と以外では感じられないかけがえのなさがある。しかもそうした機会って思いもよらないきっかけの下で急に始まったりするけど、偶然をもたらすのは人のさまざまな気持ちやふるまいや生き様であるわけで(抽象化したところに回収して楽をするな)、二人の旅路を撮る温かい眼差しがそうしたもの全てに注がれているようで、画面越しに監督の優しさを感じた。
二人ともお茶目でかわいかった〜!音楽が入るタイミングがいい。とくにランダーさんの方、石灰か何かが積もった白い丘から飛び降りたり、像の真似をして手を広げてみたり、映える振る舞いが多い。あと妻が亡くなったばかりの男が胸のうちを吐露するシーンの切実さがかなり胸に迫った。
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