じぇいらふ

さすらい 4K レストア版のじぇいらふのレビュー・感想・評価

さすらい 4K レストア版(1976年製作の映画)
4.7
🚌ヴィム・ヴェンダースレトロスペクティヴ&彼の作品観まくらんかシリーズ③📽️

だらだらロードムービー3部作の最後。3時間もある。でも一番好きかも。出会いと別れ、、、まさに人生👍👍👍👍

モノクロ ビスタサイズ 同時録音 映写室 昔映画館の学士だった老人と映写技師の会話〜はじまり

巡回上映しながら映画館を回る旅をしている男ブルーノ。ひょんな事で謎の男ローベルトと出会い、一緒に旅して回ることに。。。というおはなし

2人の出会いのシーン。突然の川に飛び込むワーゲン、、、『気狂いピエロ』か?

主役の二人、映写技師のブルーノと、小児科医?とか言ってるが、よくわからない男ロベルト(つけられたあだ名はカミカゼ笑、本当にそう言っている笑)のほとんどこの二人だけのだらだら旅。これが凄くいい。

車の移動で、あんましセリフもなく、2人で勝手にやってる感じ。映写の仕事の時だけ、ブルーノの仕事人ぶりが発揮されるが、それ以外は適当な感じ。仕事はキチンとだが、人にあまり関心ない男ブルーノ。ベルトは仕事手伝うけどもっとどうでも良い感じ。でもいつも何かしら抱えてる感じ。

このゆるーい2人のでっかいワゴン旅。撮影も即興でシーン作って撮ってるらしい。旅の臨場感がよき✨車で寝泊まりしてどこでも行ける。やってみたいわー🚘

白い砂浜での野糞笑

スピーカーの故障で待ちくたびれた子供達に、影絵で笑わせる2人の素晴らしいシーン✨拍手喝采👏

無力村、不安村、死人山笑

だらーとした展開の中、音楽だけはしっかり掛かるところがヴェンダース節。時々、ちょっとウザい時もあるけど、今作はとてもいい。小型のポータブルレコードプレーヤー(かっこいい✨)に適当にかけて鼻歌歌ったりとか♪

3時間の尺の中で、2人とも適当な距離感で勝手にやってたのが、途中からそれぞれが自分の家族や過去に向き合い、距離が近く仲良くなってくのが良い。

ブルーノの映画館での女性との出会いと、ロベルトの帰宅のシーン素晴らしい。お互い何か一つ得た感じ。

お揃いのサングラスを掛けて、サイドカーを走らせる開放感🏍でっかいけど閉塞的なワゴンとの、この風切る爽快感の違い。二人の関係性が変わっていく。。。

もともと偶然出会ったから、別れも突然やってくる。なんか普通にしてるけど、とても寂しい感情わかる。3時間観客もいっしょに2人と旅したが故の別れのさびしさ。

見終わった時の情感、満足感素晴らしいです。ここからヴェンダースの旅=人生映画がはじまる感じ。ヴェンダースの映画館愛も感じられる🎞映画館で見れるなら是非観るべき、傑作。