ハシゴダカ

パリ、テキサス 2K レストア版のハシゴダカのレビュー・感想・評価

4.3
『午前十時の映画祭』にて。
別に避けてきたわけじゃないけど初めて観るヴェンダース作品。

このポスタービジュアルでこのタイトルなので、いわゆるシネフィル向けのアート系作品なのかと決めつけていた(笑)。
ところがどっこい、普通に面白いロードムービーで。

いや、あらすじを全く知らずに本作を観たので、話がどこに行くのか面白がりながら観ることができたっていうのはある。

なので、未見の人は特にあらすじを入れずに観た方が絶対いいと思う。
あ、この映画はこの人の話だったんだという展開が、構成上いびつかもしれないけど、面白かったので全然アリ。

あとはやっぱり画がホントに美しくてよかったなぁ。
照明の作り込みとかすごい気がする。
明るい室内からの、さらに明るい荒野、とか。
夜の屋外で赤と青のライティングが絶妙に顔に当たる、とか。

俳優で言うと、メインのお2人はもちろんのこと、兄に手を焼く弟夫婦を演じたディーン・ストックウェルとオーロール・クレマンがすごく良かった。
オーロール・クレマン、美人過ぎて見惚れてしまう。
ディーン・ストックウェルもなんというかいい顔で、地味かもしれないけど生活者としての蓄積が感じられるというか。
この2人の他の出演作チェックしようと思った。

まぁ、メインの2人はもう散々褒められているので触れない(笑)。

ライ・クーダーの劇伴も、人生の苦味を旨みに変えるような楽曲群で素晴らしかった。

これはちょっと手元にソフトを持っていたい系かも。
ハシゴダカ

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