「ウェス・アンダーソン まじで一生ついていくわ」って思った。
目にやさしく、耳においしく、心にあたたかい、私のずっと好きなウェス・アンダーソンだった。
演劇リスペクトな構成が徹底されてて感心して、大いなる役者愛に溢れてて、そしてとどのつまりはやっぱり人生讃歌で、みんな優しくて泣いちゃった。
シェイクスピアがマクベスで描いたように、「人生は舞台、ひとは皆 役者」。
チャップリンが体現したように、「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」。
1秒もワンカットも無駄にしない作品作りは、そのまま、一瞬を、その鼓動を大切にして「生きている」ということへの喜びと祝福だ。
役者は虚構を演じるが、その間もずっと、彼らは彼らの人生を「生きている」。
思いもよらない出来事に翻弄されたとしても、それも大事なワンシーンであり、禍福は糾える縄の如し。
あり得たはずの場面に思いを馳せることもあるだろうし、理不尽な役回りにも遭うだろうけど、「君は完璧だよ」と演出家が言っている。
大切な人と紡いだ時間は、そのひとがどこかへ行ってしまったとしても、決して失われない。
ウェスってエモいよね?
だれも「うん」って言ってくれねえけどな。
絶対あと2回は劇場で観よ。
舞台演劇に馴染みがあると、もっと愛が沁みるだろうとおもう。わたしはかじったことしかないのに、特大ラブだなということがわかったから。
アレクサンドル・デスプラ氏が今回も3億点いってた。
「未知との遭遇」のオマージュぽい楽曲、かわいくって延々と聴いてられるね。