ぜろ

アステロイド・シティのぜろのネタバレレビュー・内容・結末

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『アステロイド・シティ』観た 『フレンチ・ディスパッチ』の機能性マックスみたいな画ってやっぱり意図的だったんだなと思った 今回は割と逆の方向性
自然に動くもの、予想外の方向に動くものが勘定に入れられているというか それは言うまでもなくあの3人の小さい女の子で、トムハンクスの言うことを全く聞かないように画面の中でじっとしていないのが一つキーというか、画面上のポイントなのだろうなと思った。立ち位置は決められているんだろうけど身動きをしたり、椅子に座り直したりしている。それをアンダーソンがよしとしている、みたいな。
話の方も今回はフィクションと劇中の現実がとても曖昧で、「記事」という線引きがガッチリやられていてちょっとドライでさえあった『フレンチ・ディスパッチ』とはだいぶ違うアプローチだと思う。
出てくる人たちはみな50年代のアメリカの一部分をかたどったようなあまり実体のないキャラクターで、そういう「フィクション」が一箇所に隔離されることで見える現実のもの……みたいな構造が劇場(演劇でも映画館でも)という空間に似ているかもしれない。
映画を見ている時の状態はよく夢を観ている状態に例えられるけれど、「眠らなければ目覚めることはできない」とは言い得て妙というか、フィクションと現実は両方なければいけないみたいな、そういう意味と取った。
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