"《アステロイド・シティ》は存在しません。この番組のために作られた架空のドラマです。登場人物は架空の人物であり、物語はフィクションであり、ここで起こる出来事はつくられたものです。"
そこは隕石が落ちた町…"アステロイド・シティ"…科学賞の授賞式の為にこの町にやってきたトンデモ天才な子供達とその家族…
授賞式の最中…まさかの宇宙人が降りてきて隕石を盗みだす…大統領命により町は封鎖され、授賞式に参加していた子供達とその家族は町に取り残される事に…
…といった演劇を観せられつつ、その舞台裏が描かれるという…
ウェス・アンダーソンらしいジオラマのような町を独特の横スクロールで魅せつつ、マシンガンのようなセリフ回しで何か起こっているようで何も起こらず…片やその舞台裏はモノクロの世界で、混乱した演出家をはじめ、各演技者が自分でも何をやってるのか分からないまま話が進んでいく…実にヘンテコな映画なんだけど…何だか面白い…
一連のウェス・アンダーソン作品のなかでもダントツに難解なのでは?と感じる作品なのですが、クスッと笑えるシーンが多い上に、こんなところにこんな人が…的な贅沢なキャストもあって最後まで飽きずに観ていられる…本当に不思議な作品となっています。
ここは一つ、アレコレ考えるよりも、ウェス・アンダーソンの世界にゆっくり身を委ねるのが一番では?
"起きたいなら、眠れ…"
劇中で全ての演者が言ってるじゃないですか…