コーディー

アステロイド・シティのコーディーのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.9
真っ青な空、オレンジがかった砂漠など現実離れした奇妙な世界に配置された登場人物らの心をフワフワ空虚に描きながらも、そんな虚構の中で現実的な感情や存在を目覚めさせる…
もはやウェス・アンダーソン監督が何に挑んでるのかも解らんけど、小惑星=子供達が生む引力に何かしらの奇跡は感じた、かなw

整理された小さな街で悲しみを制御しようとする戦場カメラマンや、住人達が遭遇する混沌という名の宇宙。という虚構に入ったヒビが実存を揺るがしていくタダでさえ掴み所ない物語なのに、そこに更に厄介な入れ子構造まで組み込まれてるから思考停止、けど理屈ではなく感覚に働きかける不思議なリズムが妙に心地良かったり…やっぱ独特な作風w

過不足なく調和が取れていたアステロイドシティが分かり易い未知との遭遇をキッカケに何を受け入れていくのか?
観てる自分も完全ではないにしても少しずつ町や住人と波長が合ってくる感覚だったし、監督の独特なユーモア&哲学にも自然と身を委ねられたw

それにしても相変わらず監督は豪華キャスト使って緩く好き勝手に遊んでますね〜