小さじ

アステロイド・シティの小さじのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
4.6
ウェス・アンダーソン作品、初めての劇場鑑賞!アステロイド・デイって知らずに小さい鞄で行っちゃったから、その後の買い物も宇宙人片手にぶらぶらしてた笑

白黒珍しいなーと思ってたらその後の色彩とカメラワーク、音楽、字体があまりにもアンダーソンで笑っちゃった!カフェの三つ子ちゃんとか電話のシーンとか、ありとあらゆるアンダーソンが詰まってて最高。
骨組みはいつもと同じ「ちょっとした事件が起きて、登場人物たちにちょっとした影響をもたらして、またいつもの日常に戻っていく」というもの。回を増すごとに登場人物が増えて覚えづらさとか此方側の収集の付かなさはあるけど、良いも悪いもそれぞれに影響があるって"日常感“が好きだな。

アンダーソン作品常連勢揃いだからこそ、劇中劇って設定も入りやすかった気がする。◯◯はあの作品でも観たよねーって感覚があるから、今回はこういう役なんだってメタ的な見方がしっくりくるのも楽しかったな。

元帥の演説とかティルダ様とか、今にもミュージカルが始まりそうなワクワクの布石が詰められててめちゃくちゃドキドキした。
常に並行線なカーチェイスもアンダーソンぽいシュールさで好き。あの鳥は鳥というより始祖鳥っぽかった。

好きなエイドリアン・ブロディが出てきてから物語の流れが変わったんかな?「目覚めたければ眠れ」はメイン家族の死について、時が解決するわけでもないけど前を向きたいなら大事な部分を見つめないといけないって教えだっていう解釈。エンドロール最後のwake upもちょっとした影響を大事にって伝えてくれてるような気がした。

宇宙人のCGが2000年台初期のPCっぽいというか、明らかに現実と不釣り合いな作り具合なのもアンダーソンのこだわりなのかな。あまりにもひょろひょろしててちょっと怖かったけど、カメラにポーズを向けたときは劇場が笑いに包まれてたし私もクスッとした。この配役がエイドリアン・ブロディかな〜と思ってたらジェフ・ゴールドブラムのほうだった。

また観たいなぁ。もっと早くに観に行けてたら何回も観れてたのになぁ。
小さじ

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