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アステロイド・シティのordinalのネタバレレビュー・内容・結末

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

現実はモノクロ、舞台はカラーで表されているが、この映画自体が演技であり、演技中の演技(カラー)と本当の現実である客席(カラー)で演技(モノクロ)が挟まれている。更に演技中の演技中の演技である窓枠越しの練習風景を撮したオーギーの写真はモノクロであり、虚構(モノクロ)の中の虚構(カラー)、の中の虚構(窓枠越し)を撮したものは虚構(モノクロ)である。映画中の監督がテーマとして掲げる「永遠」は現実と虚構の映し合いの連鎖、つまり終盤に連呼された「目覚め」と「眠り」の連鎖のことであり、"目覚めるための眠り"として虚構である演技(映画)の必要性が投げかけられているのではないかと感じた。画中で度々表現される二つの場面を画面の半分ずつに置いたシンメトリーの構図や鏡越しのヌード、窓枠を画面に見立てたかのような練習の場面などは上記のメッセージを補強しているように感じられる。
また、役を希望する演者にしろ白い服の少年にしろ未知なる宇宙への試みにしろ
、何かに「挑む」ことももう一つのテーマだった。

「超秀才」たちの絶妙な佇まいが良かった。
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