歩葉戸路素

アステロイド・シティの歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

先月ウェス・アンダーソン映画にドハマりして、この映画以外の全ての監督作品を鑑賞!
…で、最後にコレを劇場鑑賞してコンプリート!!

これは…
かなり難解な映画だった…!?
個人的に今年ベスト級の満足度高めの名作だと思ったけど、物語の構成が複雑すぎて良さを説明し辛いのが難点

劇中劇の宇宙人との接触を描いたSF舞台と、その劇の外での現実世界の物語が交互に繰り広げられるメタ構成が斬新すぎるし…
その劇が50年代の低予算SF映画リスペクトな内容で
いわゆるZ級映画の巨匠エド・ウッド辺りを模してるのもかなり上級者向け
つまりコレ…
アート映画に見せかけたB級SF映画なのよ
オシャレ映画好きか、B級スピリット持って無い人が見たらかなり退屈かも…

白黒映像でカメラに語りかけるナレーターとかどう観てもエドウッド監督「プラン9 フロム・アウター・スペース」だし(これ冒頭で見た時のワクワク感は異常だった!)
いにしえのSF映画へのこだわりが凄かった

映画内に張り巡らされた「ハリボテ映像」が衝撃的!

中盤には本命の宇宙人が UFOから登場するのだが…
本当に「絶句モノのクソCG」!!
asylum製のクソ映画に匹敵するチープさ!!(大昔に流れてたカップヌードルのCMレベル)
メキシコの大砂漠をロケーションして建築物も全て本物なのに…一切CG使ってないこだわりの映像なのにさぁ…
宇宙人のクッソしょぼいCGはトラウマ級!

それから最初気付かなかったんだけど
砂漠のあちこちに生えてるサボテン
あれハリボテ!!?
なんか作り物臭かったし、どのサボテンもカメラ目線というか…全部「🌵」の形で同じ生え方してんのよ…
これ気付いた時変な笑い出た
ここまでこだわり抜いたハリボテは初めて見たかも
(いや…ノーラン監督のダンケルクのダンボール兵士があったか…笑)

まぁ実は映像のハリボテにはちゃんと意味があって…
現実世界の白黒映像と対になる空想世界を強調するためにわざわざ作り物感出してるのは分かるし
ラストの没出演になった女優とのシーンがエモく感じる
空想世界が色鮮やかなカラー映像なのが現実に帰りたくなくなる理想郷のように感じられるのが素晴らしい

人間ドラマのリアリティはとんでも無く高くて、劇中劇だと感じないぐらいの本物っぷり…!
ハリボテ &クソCGなのにね
数日前見た「ゴジラ-1.0」では映像は超リアルで人間ドラマが空想とかレビューしたけど
あれの真逆がコレ…!

とはいえ映像は究極にオシャレなのでB級、Z級映画興味ないオシャレ映画好きにも激推ししたい名作!

ってか劇場、女子高生や女子大生ばっかしかいなかったから…チクショウ!
歩葉戸路素

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