感想が難しい映画……。
表面的にはシュールでコミカルなタッチなんだけど、それ以上のものは観衆が自ら掴みに行かなきゃ分からない気がしたというのが正直なところ。
一見、喜劇っぽく見える中に残る違和感は中盤のスカーレットヨハンソンのセリフに込められてるのかなと思ったのが個人的な取っ掛かり。
そこを起点にして後半を鑑賞したけど、まあ分かったような分からないような。
舞台の裏側を語る場面も結局芝居の延長線にあるから、映画のテーマはあまり見えてこないんだけど、惹きつけられる感じは十分あった。
何重にも仕掛けられたハリボテの中にじわっと滲む人間味、なんていう言葉にしてしまうと雑過ぎるんだけど。
監督の意図が掴めた感はあまりないけど、夏になったらモヒートでも傍らに置いてダラっと見返したらまた感想が変わりそう。
そう考えると、初見で観客に消費させずに”また観たくなる感”を残しておくのも映画監督のスキルのひとつなのかな。
大河ドラマ然とした印象が強かったグランドブダペストホテルよりは好みでした。