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アステロイド・シティのBOBのレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
3.2
ウェス・アンダーソン監督の最新作。

"I still don't understand the play."
"Doesn't matter. Just keep telling the story."

正直言って微妙。ウェス・アンダーソン監督作品はデビュー作以外鑑賞しているが、最も心がときめかない作品だった。『フレンチ・ディスパッチ』でも感じた"スタイルあって心なし"現象が更に強まっている印象を受けた。入れ子構造の箱庭的世界観は健在なので、ウェス監督ファンなら楽しめるのかもしれないが、、。

一番残念だったのは、何を伝えたい作品なのか最後まで良く分からなかったこと。妻/母親を失くした家族の再生ドラマと、砂漠の街を舞台にしたエイリアン飛来によるひと騒動が大きな軸なのだろうが、繋がりも纏まりも良いとは思えなかった。脚本が未完成であることに自覚的である点も、そのメタ構造自体は悪くなかったが、そのことを登場人物に代弁させてしまうのはいただけない。責任放棄しているようにしか聞こえなかった。

あと、本作も多分に漏れず、オールスターキャストムービーとはなってはいるが、単に有名俳優たちが共演しているだけで、それ以上の価値は見出せなかった。

キャストに関して、一番興奮したのは、自動車修理屋に扮するマット・ディロン。個人的には『クラッシュ』以来か、かなりお久しぶりの再会だった。もう還暦なんやな。

2つしかボタンのない不動産自動販売機がワイルド。

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