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東京画 2K レストア版のプププのネタバレレビュー・内容・結末

東京画 2K レストア版(1985年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

丸の内国際映画祭でドイツから来たヴェンダースの研究をしてる?グラゼナップ教授と石川慶さんと司会の方(すいませんお名前メモし忘れました…)の対談込みで見ました。以下それで印象に残ったことのメモと自分の感想。


〈ヴェンダースと小津〉
ヴェンダースは小津に感銘を受けてはいるが、直接映像には結びついていない。
実際に、小津はほとんどを1人でこだわりを持って決め、自身のイメージをフレーム内の内側へと閉じ込めるが、ヴェンダースは画面の外への広がりを持った画を持ち、偶発性を大切にする。

〈東京画の持つ問題点〉
東京画では東京が批判的に捉えており、それと対照的に東京から離れ、小津に携わった笠智衆や厚田さんのインタビューになると途端に画が写実的で美しくなる。
これは東京に小津的な世界を求めに来たヴェンダースが、80年代の西洋的な価値観に溢れ、商業性にまみれた東京を見て、それに何も見出さない、ガッカリしたことが原因である。
しかし、まず小津的な世界が残っているはずがない(そもそもの小津の映画が作られた世界である)上に、ヴェンダースは初来日で、数日間いただけで、日本人も見出せてない小津的世界を東京に見れるはずがない。
また、テレビや商業への批判というステレオタイプを持って東京へ来てため、東京にあるそのダメさやゴミ加減をただ確認する作業になっている。
これらから、この映画はとても均質的な東京の映画になってしまっている


〈小津的なものを継承した監督はいるのか〉
アキカウリマスキ、アッバスキアロスタミ、ジムジャームッシュといった監督がヴェンダースのように影響を公言しているが、画面にそれは現れていない。
直接的に小津の影響が画に表れている人はいない。
→枠や空間的なものが影響として現れることがあるのではないか?



・感想
割と東京画の東京のシーンは批判的だと言われてたけど、自分はすごい綺麗だと思って見てました。それはノスタルジーっていうよりも、他者からの視点を経た景色がいつもと違って見えるから美しいと感じたんだと勝手に思ってます。ブエナビスタソシアルクラブのニューヨークでのシーンがまさにそうだったから。
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