ツクヨミ

東京画 2K レストア版のツクヨミのレビュー・感想・評価

東京画 2K レストア版(1985年製作の映画)
4.0
ヴィムヴェンダースの東京旅行映像とやはり小津愛が見える必見ドキュメンタリー。
ヴィム・ヴェンダース監督作品。2023年ヴェンダースが邦画を手がけたので、予習としてやはりこちらをチョイスするのは必然として見てみた。
まずオープニング、初っ端松竹ロゴから見覚えありまくりのタイトルバック.小津安二郎"東京物語"のオープニングのサンプリングだ。直球の小津愛だしそれをバックにいろいろと小津について語ってくれるヴェンダース、敬愛はしているが別にオマージュとかはしたくないとか言いつつだから今作に小津愛を詰め込んだ感にニッコリしてしまう。
そんな始まりだが本編というか大半はアケルマン"家からの手紙""東から"よろしく東京という都市をあるがまま見つめたドキュメンタリーだ、観光という側面が強いがゴルフ打ちっぱなしや食品サンプル工場を1日密着して撮ったりとなかなかやってることはとち狂ってて笑った。あとその傍で東京タワーでベルナーヘルツウォークにインタビューしたりと"666号室"みたいな要素もあり。まあシンプルに80年代東京を見つめた映像はリアリズムたっぷりのドキュメンタリーですげー良かった、リドスコの"ブラックレイン"よろしくネオン煌くバブル期ビジュアルもまた良い。
あと本作は貴重なインタビューが目白押しで、笠智衆や小津作品で撮影を務めた厚田雄春氏が語る小津の製作秘話はマジで聞き入っちゃう。小津好きにはたまらないドキュメンタリーにもしっかりなってるしエンディングまで"東京物語"のエンディングのサンプリングになってるしやっぱりヴェンダースは小津フォロワーなんだなと改めて感じたドキュメンタリーだった。
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