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東京画 2K レストア版のritsukoのレビュー・感想・評価

東京画 2K レストア版(1985年製作の映画)
3.8
ヴィム・ヴェンダース監督の、本当に小津安二郎監督への愛が伝わるロードムービー。(愛というか最早オタクの領域)小津安二郎の映画内にある日本が実際に存在するのかと巡る旅。
1983年ごろの日本と今が全く違うからわたしたちも純粋にたのしめる。道端で駄々を捏ねる少年は、小津映画に出てくるような生意気なガキンチョと同じでヴィム・ヴェンダースが感動して始まる。日本の活気みたいなものも、今とはまた違う形で見えた気がした。食品サンプルを制作する職場で、ランチタイムを撮りたかったが断られて残念がる監督が可愛いらしい。そのくらい技術が凄かったんだなぁ。かなり長く映していて本作の趣旨とは異なるかもしれないけれどこちらも楽しめた。15年も小津安二郎の元についていた方の最後の勘弁してください、の涙にはくるものがあった。ラストの〆方もすき。小津安二郎のお墓に名前がなく、「無」とだけ記載されているのは少し笑ってしまった…小津安二郎のことをさらに少しでも知れた気がした。
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