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ベルリン・天使の詩 4K レストア版のぺーのレビュー・感想・評価

4.5
映画 ベルリン・天使の詩 4Kレストア版(1987/2024)西ドイツ.フランス/128分
監督 ヴィム・ヴェンダース
脚本 ヴィム・ヴェンダース
   ペーター・ハントケ
   リヒャルト・ライティンガー
主演 ブルーノ・ガンツ
   ソルヴェーグ・ドマルタン

2年ぶりの"午前十時の映画祭"。
最後に観たのは専門2年の頃で、観た作品は【8 1/2】だった。
ということで前々から気になっていた作品を観る事にした。
ベルリンの壁によって東西と分かれていた荒廃の時代、壁崩壊のきっかけの1つとなった作品らしい。
めちゃくちゃ超好きかもしれん。
面白かったけど何より美しかったり優しかったが勝った。
天使達が人々の心の声を聞き寄り添うのだが、主人公の天使は廃業寸前のサーカス団のブランコ乗りの女性に恋をして、人間になろうと決意するが、人間になるという事は死ぬ事を意味するのであった。
本編中にあるのは人々のモノローグ、天使2人の会話、モノローグ。
仕事、失恋、勉強、自殺、純粋な子供、道を間違えたおばちゃん、絵のモデルを誰にするか選ぶ俳優の男、同じことを考えていたり違うことを考えていたり。
人が悩んで苦しんでいたら天使が傍にいてくれる、時には守れなかったり解決できないけれど、それでもいつも優しく天から地を見守っててくれる。
クスッと笑って、同じ気持ちで寄り添うそんな優しい天使たちがいると考えるだけで幸せになる。
天使視点がモノクロで、人間視点がカラー。
人になりたい天使のダミエルと天使のままでいたいカシエルのちょっとした対立も良かった。
モノローグ会話が多い中で、人間パートになると台詞無しで表情やリアクションで感情を表現してるの凄いバランスが良い。
ありえなさそうでありえそうなこの物語が美しい。
人間になったダミエルがマリオンと結ばれてハッピーエンドで、ラストに続くと表示されて続編の意味を表しているんだろうけど、人生は続くって意味にも捉える事ができるな。
カシエルが飛び降りた時の映像迫力あったな鳥肌たった。
2017年から一コマずつ4K修復していった甲斐のある綺麗な映像美。
思い出に残るのこと間違いなし。
感動はしなかったが天使側に心に響いたので名作。
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