「最後まで生きて」
確かに生き抜いた人生。
映画館が鼻を啜る音で満ちていた。
後半60分はたぶんずっと泣いてた。
彼女の生きる姿を見て自分も精一杯の力で明日を迎えたくなる。誰かを思って、思われたくなる。
肺動脈性肺高血圧症
机いっぱいの処方薬に心が痛くなった。
王道中の王道、ストレートな物語。
原作の存在を知らなかったため、"えめっちゃええやんその姿勢"と思ってたら実話で訳分からん感情になった。何年後かに「闘病/恋愛系の邦画といえば?」の代表になっていると確信できる。
前半のダイジェストを多用した青春の連続はまじで良かった。センス爆発してる。最近こうゆうMV寄りの映像好き。
山田裕貴の演技が光りに光っている。
もはや感動からズレて「うわ、うわ、凄いなこの人」と尊敬しながら観てた。
「私達ってさ、どっちが可哀想なんだろうね」
なんて刺さる、考えさせられる台詞。
台所で母親に泣きつくシーンが特にきつかった。もはや涙から自分が流れていた。
「まだ親孝行もできてないし、
迷惑ばっかりかけてごめんなさい」
「先に泣いてごめんね」
このシーンの自分の顔世界で一番キモかったと思う。全てをかけて泣いた。
井口と彼女のなんの配慮もない一級建築士の紹介にはかなり腹が立った。それに返す言葉に対して、その時のマツリの境遇から、んあ"あ"と唸ってしまった。
「糸」のカツ丼シーンに続き、今作の小松菜奈爆食いシーンも良かった。まじで映えてたし、ドスンと重いものが心に落ちた。
シネマスコープの幅変えるタイミングも調節も素晴らしい。これ邦画で初めて見たかも。
電話中に後ろを電車が通るシーン
音響の編集が素敵。バランスが完璧だったしむしろ心地良い音に聴こえた。音響の正解ってこうゆう事か。
自分が監督だったら「あーもう、電車入った!ごめんカット!」ってなるけど「いや電車通らせよう」となれるセンスと映像制作に対する妥協のなさ。だって証明のピント合わせるのも難しいし音響だって面倒くさい。凄い。
えスノボいくの!?とちょっと心配してたらニット帽小松菜奈可愛すぎてまじで全部どうでも良くなった。ほんまに綺麗。
泊まり、この夜の深さよ。
2人にとっての「夜」、この意味。
彼女が最後の思い出に選ぶにふさわしい、愛の全てがあのシーンにはあった。
その翌朝のシーン、良かったけど健太郎病気について知らなさすぎじゃない?と少し思ってしまう。
今思ったらキャスト豪華..!
終始台詞の平凡さがたまらんたまらん。
毎晩家族4人で食卓囲むの羨ましい。
井口がちゃんと人間してる。
観て良かった。
最近の邦画すっごい良い。
読んでくれてありがとう。
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自分の世代は同窓会なかったぞ!
コロナさん!こらっ!
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RADWIMPS久しぶりに良かった。
ストレートに映画に沿った歌詞がこのエンドロールという舞台からとんでもなく刺さってくる。洋次郎大好き。
「今や人類は地球を飛び出し火星を目指す
なのに僕は20センチ先の君の方が遠い」
「全人類から10分ずつだけ寿命をもらい
君の中にどうにか埋め込めやしないのかい
それか僕の残りの命を二等分して
かたっぽをあなたに渡せやしないのかい
そしたら『せーの』で来世に乗れる」
すっごい歌詞。
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「暇すぎて死ぬ」
「皆に久しぶりに会って
それぞれちゃんと生きてて
俺以外は」
「じゃあ、生ビール」
「え!生ビール?」
「私は闘う事を諦めたんじゃなくて
もう闘えないの」
「次なんてないですよ」
「へぇ、良い事言うな」
フランキーLOVE.
「お願い、分かったって言ってよ」
「私は確かに生きていた」
「貴方は次の瞬間、何をしますか?」
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⚠️ネタバレ注意⚠️
本当に最期の別れのシーン。
大袈裟な切なさや感動を表すのではなく、ただ涙を流しながら「頑張ったね。頑張った頑張った」と伝えるリアルさ。これがもうほんとに悲しかった。泣いても泣いても足りなかった。
ここでやっと父親の「マツリを受け止めてやって欲しい」の意味が分かった。
この選択が好きでたまらない。
ここにスコア0.5分があります。