鎌谷ミキ

余命10年の鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

余命10年(2022年製作の映画)
4.9
【俺たちの菅波と3口しか飲まなかったカフェラテ】

朝ドラ『おかえりモネ』ファンの方、必見です!なぜだか菅波先生が浮かんできたのです…
思わぬ時間ができたので、すかさず映画館へ。

タイトルやレビューを読んでわかってた。うん、ラストの終わり方をどうするかぐらいで、どのように話が進むのか。にもかかわらずに、です😭

私は去年約10年ぶりに市の健康診断を受けました。異常なしでした。10年前もそうでした。でもそれ自体が当たり前ではないことを実感…

『8年越しの花嫁 奇跡の実話』で闘病モノ経験ありの岡田惠和さんと共同の渡邉真子さんがどこまで脚色されているか。どこがノンフィクションなのか。そんなことはもはや論点ではありません。いかにリアリティのある"感情"を描き出すか。そこだと思います。その点では、もう満点なんですよ…

私は藤井道人監督、はじめましてです。
本作は恋愛映画という謳い文句ですが、紛れもなくある家族の闘病物語でもあります。それは藤井監督がパンフでおっしゃってます。その思い、しっかり受け止めました。
監督らしさかもと思ったのは"風"の演出。ほとんどがリアリティ重視の演出の中、これだけ映画的演出で"あの瞬間"を拾っています。

主演の小松菜奈さんも勿論、素晴らしい。あえて視点は坂口健太郎さんへ(朝ドラの役名が菅波だから「#俺たちの菅波」タグがツイッターで拡散)なんなんですか、あの"泣き"演技は…顔くしゃくしゃ、なんなら膝から崩れ落ちる…あそこまで感情移入できるのが、スゴい!
クライマックス、一体どっちの演技で号泣してるのかわからないレベルでスゴいんです!

で、何故カフェラテを飲むタイミングがなかったのか。序盤から無情にも病名やらイヤでも目につきます。私は茉莉状態。呼吸すらしずらい、それがラストまで私は続きました。。。

実話難病モノの新たな物語。そこには"生きたい"ともがく茉莉と"明日"を諦めかけた和人の二人と、茉莉を支える家族、茉莉を見守る友人、そんな人たちの物語でもあります。あ、和人の師匠リリー・フランキーさんもよかったー。

追記:思い出していくと、あの"風"演出はRADWIMPSの曲が引き立つためだった!?とか。小松さんの抑えてた演技は、後の恋愛を引き立つたたすためにあえてとか、細かい設定があることに気付こうとしていて、眠くてそこまで…思い出せは思い出すほとアップデートされる監督の意図。。。
鎌谷ミキ

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