どでん

余命10年のどでんのレビュー・感想・評価

余命10年(2022年製作の映画)
3.0

良し悪しが混在してて感動したのに腑に落ちない不思議な感覚。

まず同窓会であんなにカッコいい人がああいうインキャみたいなのはあり得ないし集合写真の右端に映るなんてことはさらに有り得ない。まだやさぐれててどうしようもない人間の方が良かったが、和人、引いては坂口健太郎のいい人感がもう出てしまってた。これはもう誰が悪いとかじゃなくてしょうがないんだけど、結構この感情が最後まで自分の中で引っかかってしまった。

和人はなぜ死にたいと思ってたのか。父親とは何があったのか。この背景をもっと細かく描いてくれてたら最後どういうオチであろうと更に感動できたのだが。。

10年という期間で時間軸の前後がないのはあえてなのか。普通はありそうだが。過去と現在との対比がないのは逆に不自然だと感じてしまった。

和人は茉莉に対して何度か「好き」と言っているが茉莉から和人に対しては最後まで面と向かっては「好き」と言わなかった、いや言えなかったのが茉莉が病気に対して最後まで一番向き合ってた。そして、病気には抗えないという重き現実を描写してるように感じた。

リリーフランキーはなんでもない雰囲気でなんんでもないことを言うのに雰囲気があるんだよなぁ。ほんと凄すぎる。「今日はもう上がっていいよ」っていう台詞をあんなに背中で語れる人他にいるのかね。

和人(坂口健太郎)が10年の間で表情が凛々しくなってて本当に10年を感じた。のに、茉莉(小松菜奈)が最後まで綺麗すぎて逆に10年の期間を感じれなかった。これももう本当にしょうがないんだけど、引っかかってしまった。
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