青空ゆき

余命10年の青空ゆきのレビュー・感想・評価

余命10年(2022年製作の映画)
5.0
あなたに出会って、もっと生きたいと思った。

君に出会って、生きようと思った。

あと何回、この桜を見ることができるのだろう?

次なんてないんです。

だから今を、目の前の人生を精一杯生きなければいけない。

彼女は今を精一杯生きた。

彼は未来を精一杯生きていく。

約1年間という時間をかけて、四季の移り変わりと共に撮影された作品。

“小坂流加に捧ぐ”

この物語は彼女が生きた証。

“20歳の春、私ははじめて、人の死のリアルを見た”

数万人に1人という不治の病に冒され、余命10年を宣告された茉莉。

生きることに執着しないよう、恋だけはしないことを心に決めていた。

“死にたい”

すべてが上手くいかず、生きることの意味を見失い、生きることから逃げていた和人。

故郷の三島での中学の同窓会。

そこから二人の新しい未来が動き出す。

未来がない、退屈な日々、早く終わればいいのに。

和人だけじゃなく、茉莉もどこかで生きる意味を見失っていた。

生きる意味、生きていく力をもらったのは茉莉も和人も同じ。

茉莉はビデオカメラに思い出を重ね、思い出を消去していく…和人の約束だけは。

未来を思い描くたび、想像するほど苦しくて、逃げ出したくなる。

“私は戦うことをやめてないし、逃げてもいない”

この言葉がどうしようもなく苦しい。

車のなかからはじめて見るスカイツリーに驚き、上野の桜並木を大切な人と歩く。

気づいていないだけで、愛おしさ、美しさ、幸せはすぐそばにある。

彼女は今を精一杯生きた、彼は未来を精一杯生きていく。

高林茉莉→小松菜奈ちゃん。

真部和人→坂口健太郎くん。

桔梗(茉莉の姉)→黒木華ちゃん。

藤崎沙苗(茉莉の親友)→奈緒(本田なお)

富田タケル(和人の親友)→山田裕貴くん。

明久(茉莉の父親)→松重豊さん。

百合子(茉莉の母親)→原日出子さん。

近年ブレイクした(2022年3月4日時点)若手注目株がそろい踏み。

梶原役でリリーさん(リリー・フランキー)も出てます、やっぱ良いとこもってく(笑)

自分のなかで坂口健太郎くんは映画・ナラタージュのめちゃくちゃカッコ悪い(中身が)最低なダメ男のイメージが強く…あれはダメさ具合が衝撃的すぎたんですね、いや、現実にはああいう男ざらにいるか。

人って本当に出会いで運命が変わるもの。

もちろん良い方向にも悪い方向にも。

面倒な人間関係、悪い方に転ぶ出会いはすごく嫌。

けど、人との繋がりが未来を大きく変えていく以上、そこから逃げていては何も変わらない。

そして人を大事にできない、人の気持ちが分からない人間は絶対に成功できないし(その分野で突出した天才なら別だが、そんな人間はなかなか)、決して幸せにはなれない。

恋人、友達、家族、仕事仲間。

好きな人に出会えた、大切にしたいと思える相手に出会えた、それだけですごく幸せなことだし、奇跡。

なんか、いつも思うのは周りを大切にして、ちゃんと自分の人生を生きてる人ってすごいなと。

特別じゃなくていい。

普通が一番難しいっていうけど、本当にそう。

なんの仕事をしてる人でもそうやし、社会人に限らず学生さんとかも。

自分も今を大切に、周りにいてくれる人を大切に、未来を生きていこうと思います。

※Twitterもよろしくお願いします!→@Blueeternal2022
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