shiron

Parallaxのshironのレビュー・感想・評価

Parallax(2021年製作の映画)
5.0
PFF2021 Bプログラム

映画を観て楽しいところは、正解が無いところ。
逆に言うと、私がそう感じたのなら、たとえ監督がどう思っていようが、それが正しい。正解なのだ。
なんでもないシーンにエロスを感じても自由。
わがままに強引に、脳内二次創作やスピンオフだって妄想して良し。
(ま、私の発想なんて、監督の想定内なんですけどね。)

『parallax』面白かったです!!
コブちゃんとチビちゃん(←勝手に命名)を、いろんな象徴に置き換えて楽しめました。

別の所から来た二人は異質な存在だし、ハンディキャップを持った人とも取れる。
コブちゃんは行動する人、チビちゃんは傍観者よりは一歩踏み込んだ、観察して伝える人

中でもお気に入りの自分設定は、戦火を逃れてきた難民です。
言葉も通じない異国の地で、その異文化のセレクトルールに従いエントリーするけれど、なかなかにハードルが高い。
なんなら落とす為のルールにも感じる。
別の入り口を選んでも、結局は同じ審査に繋がっていて、血統や財力や能力で優遇され、持たない者は肉体を差し出すしかない。

一番面白く感じたのは、テーブル上で穏やかに始まる戦争で儲ける上級市民。
子供の頃冷戦だった世代なので、核戦争のイメージが自分の中に根強く残っていることに驚きました。

繰り返す食物連鎖と生命のループ。
ラストの余韻がいつまでも心に残る作品でした。
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