ゆず塩

イノセンツのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

【感想】
子供の描写がとても良い。
子供の無邪気さとか、暴力と悲哀が共存してる感じとか、好奇心からくる浅はかさがよく表現できてて……。
子供が大人に説明できない感覚も納得するし、大人が子供を理解できない感じも良い。

ただ、ちょーっとテンポが遅いかなぁって気もした。
でもこのテンポだから良いんだろうし。
そこが甲乙つけ難い。
もうチョット早ければ、めっちゃ好きになりそう。

あと、じわじわと嫌なことが起き続ける感じも、同じ雰囲気というか、同じ感じのことが続くだけな気がしてやや退屈だった。
それが良いとも言えるのだろうが。

すげー面白かったけどー、もう少しでもっと好きになりそうな、歯がゆい感想を持ちました。

映画館で見てたんだけど、中盤遠くから石が飛んできたところで体を避けてしまったよ。ビビったし、恥ずかしぃ。

アイシャが、良い子っぽいけど、アナを操って喋らせているかのような描写があって、ただの良い子で終わらせてないのが上手い。
それでも良い子な印象なのは変わらないから余計に面白い。
子供がバカをやる話も、根本的な子供の思考は似ている気がするんだけど、今作の子供は馬鹿に見えないのが面白いね。無邪気からの浅はかな行動が大人にバレないから、というのが大きな理由なんだろうな。

自閉症をどう捉えていたのかわかるような分からないような。
自閉症の方にも感情や意識はもちろんあるのだけど、作家の東田直樹さんとかを知らなかったら私はそれを信じられなかったと思ってて。恐ろしいことに。
で、この映画のこの子を監督はどう捉えていたのだろうか、と。
ベンと戦ったりしているのは自分の意思だし、意識ある人として知ってるし理解してるのかな。当たり前というか普通だけども。
でもなんか、超能力ある時だけ意思を持てるような書き方な気がして。……平時も、も少し何考えてるかわかるような描写があったらなぁと思ったり。
自閉症の方との関わりが多くない自分が言えたことじゃないけどさ。
ゆず塩

ゆず塩