ふわふわ

イノセンツのふわふわのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
4.2
大人は介入できない子供の世界…

大友克洋『童夢』にインスピレーションを受けたという本作。

郊外の団地に引っ越してきた姉妹は団地の中で男の子と女の子と友達になるが…

子供達目線でのお話しが最後まで静かに…続きます。
子供達はそれぞれ特定の友達もいないので自然と仲良くなります。
凄いリアルで、説明ゼリフがない。
あまり喋らないのがいい。
子供だからなんの気のなしに仲良くなるんだよね。
状況を写すカメラが子供達の自然な表情を写します。
団地の退屈な感じ、冷たさ、遊び場。
ブランコ…、人工的な池。
子供になった気持ちでストーリーが続く…

辛い場面も多いですが、残酷さを淡々と描きます。
だって大人はそれが悪い事だとわかるけど子供にはわからない。『イノセンツ』

大人は介入できない。
そこは子供の世界だから。
子供は子供の社会がある。

母親が何人か出てきますが、私はとても歯痒くて涙した。

緊張が最後まで続く。
北欧の冷たい団地での出来事。
暑い中でしたが観ている間は映像のお陰で冷え冷えとした気持ちでした。

子供をだしにする映画は嫌いですが、この映画は子供達自身の話しなのでとっても好き。
子供の可能性と家庭について考えろと子供達に言われたような気がする映画でした。
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