SetoKC

イノセンツのSetoKCのネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

とんでもない作品でした。
全体的に静かな雰囲気で物語は淡々と進んでいくのですがそれがとにかく良かったです。静かだからこそ能力を使ったときのハラハラ感やゾワゾワ感がより一層すごかったです。
物語は「退屈な日常を変えたかっただけなのに」というテーマがあるのではないかと思いました。序盤の引っ越してきたばかりで友達がおらず、姉も持病のせいで親が付きっきりだったり遊び相手になってくれない描写があり、そこで出会った少年のちょっとした超能力を知ってから日常が非日常に変わった瞬間の主人公の笑顔が印象的でしたら。話が進むにつれて次第に恐怖が増していきます。他の能力者同士で実験を重ねる内に能力が肥大化していき、1人はそれを残酷なことに使用し始めます。この下りがとても丁寧に作られていたのがよかったです。特に能力使用時の描写が革新的だと思いました。周りの静かに土や葉が少しずつ舞い始めたり、水面がうごめいたりと何かしらのエネルギー体を纏い、動かしてるというのが分かる映像になっているのが衝撃的でした。
この作品は『AKIRA』を描いた大友克洋先生の作品『童夢』に影響を受けてるらしく世界観が特に影響受けてるなと思いました。『童夢』といえば壁にめり込む描写が漫画家から発明や革命と言われてますがこの映画もその位に能力の描写がすごかったです。
すごい映画体験ができたので良かったです。
SetoKC

SetoKC