ぼっちザうぉっちゃー

イノセンツのぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

サイキックスリラーという聞き慣れないジャンルではあったが、しっかりホラーチックで面白かった。

猫好きにはキツい場面を始めとして、子供たちの暴走や純粋な悪意みたいなものに対する怖さはもちろんだけれど、大人の中に潜む闇の表面化にも思えるような場面や、クリーチャー的な不愉快さと音使いの緊張にもなかなか恐怖した。
そして何よりラスト男の子と対岸から向き合い沈黙せしめたところで、公園で一人遊ぶ子や、ベランダから見下ろす子らなど、団地という閉鎖された空間の中で他にも“因子”が顔を覗かせていて、根本的に事態が解決を見ていないという点が真に恐ろしいように思えた。

そうしたホラーやテーマ的な面白さのなかで、主人公だけが能力を持っていなかったり、姉がどうやら一番強い力を持っていそうだったり、固唾を飲んで見守るしかないサイキックバトル表現だったり、ちょっと漫画的な妙味もあったりして、その演出もいろいろに楽しいものがあった。