『子供は親を選べない』とはよく言ったものである。
この映画に登場する4人の子供たちも例外ではない。
派手な演出などは皆無だが観ているこちらまで全身がヒリヒリしてくるという不思議な感覚に終始襲われた。
一番の見どころはラストで静かに巻き起こるサイキックバトルだろう。
大友克洋の漫画『童夢』にインスパイアされたというだけあって見応え十分だ。
感応し合う子供たちの静かな戦いが団地内の公園で繰り広げられる。
ベンみたいな子供は日本にもたくさんいるだろう。
そう思うと複雑な気持ちになりベンを憎めなくなる。
劇中、ベンが自らの力が恐ろしくなったのか、自宅の玄関ドアの前に座り込み「ママ」と泣きじゃくるシーンがある。
「ママ」はとっくに自分が殺してしまっているのだが…。