ミシンそば

道化師の夜のミシンそばのレビュー・感想・評価

道化師の夜(1953年製作の映画)
3.6
数分前まで観ていた8年後の「鏡の中にある如く」に比べてハリエット・アンデルセンが相当に若く、そして明らかにベルイマンの彼女の映し方が若干の気持ち悪さを帯びている。
二人は当時交際していた…納得感しかないキモさ。
ベルイマンはマジでこういうの頻繁にぶっ込んでくるから好きなんや。

初期作品だけあり、序盤のちょっとだけサイレント演出などもあり、引き続き若きベルイマンの創意工夫が観られた。
主題は老境者の悲哀と、捨ててきた過去から拒絶される惨めさなのだろうが、ハリエットを美しくエロく撮りたいと言う欲には勝てていない。

勝てていないからこそ、アルベルトとアンの半端者同士は、どうしようもなく共依存したのかも。
どちらにせよ、ベルイマンの本音こそ見え隠れするが、少しだけ未来のイタリア映画なんかにも通じるようなグロテスクさを楽しめはした。