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道化師の夜のadeamのレビュー・感想・評価

道化師の夜(1953年製作の映画)
2.0
巡業するサーカス団の団長の男とその愛人を中心に現状から抜け出そうともがく男女の愛憎を描いたベルイマン初期のドラマ。
お互いを欺く男女がどちらも巡業暮らしを嫌い、そこから脱するために他の人に擦り寄るもそれぞれ軽くあしらわれるという八方塞がりな状況が何とも惨めで絶望的でした。
ただそこに後の作品で見せる程の深い洞察があるとは感じられず、メロドラマの域を出ていない印象でした。
それでも鏡を巧みに使うなど後々に通じる映像表現上のセンスには輝きが見られ、中盤の向かい合って話す2人の人物の表情とその間にあるアイテムを1つのフレームに収めてしまうカットなどは素晴らしかったです。
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