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死刑にいたる病のhynonのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.8
死に至る病は、絶望。
では、死刑に至る病は…?

面会室の対面窓越しの心理戦は、いつ観ても面白い。

しかし怖い…!!
愛想のいい店員さんが怖くなります。

殺人犯に対する先入観、凶悪犯の発言の真偽、誰の中にも潜む狂気、思想や行いの不滅性、カルト宗教、など、さまざまな問題やテーマが交錯する。

はたして真犯人は?
殺人鬼の言っていることはどこまでが真実なのか?
彼の目的は?
引き込まれる。

白石監督の「凶悪」と同じく、正義の側である善良な一般市民のはずの青年も、否応なしに闇に引きずり込まれていく。

われわれ観客の先入観も巧みに操られ、何度もひっくり返される。
面白い。

ただね…、
演出とセリフに少々あからさますぎるところがあったかな。
(「決められない」とか)

あと、虐待を受けた子供はサイコパス・殺人鬼・異常者になる、闇から抜け出せない、というステレオタイプと偏見は、もういいかげんやめたらどうかと思う。
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