白石監督、面会室の反射を利用した演出好きですよね笑
同監督作の「凶悪」はもちろん、「三度目の殺人」的な反射を利用した演出から、喋っている側をあえて映さない「天国と地獄」的な演出までを網羅した、いわば面会室映画です。
それらの作品を鑑みた上で、今回の面会室の演出は頭ひとつ抜けてました。
物語中盤で、阿部サダヲと岡田健史の顔が完全に重なるシーンがあるんですけど、あそこの異物感というか、気味の悪い違和感が秀逸でしたし、
終盤で物語の真相に迫るシーンで、反射した阿部サダヲの姿が完全に岡田健史に呑まれてる演出(カメラが阿部サダヲ側に切り替わった時には反射がなかったので、意図的に演出してたんだと思います)とか、
あらゆる見せ方で出てくる「境界線が曖昧になっていく様」は素晴らしかったです。
直接的に立ち位置を説明するのではなく、まさに映画的に魅せるのはさすが白石和彌！と膝を打ちました。
ただストーリーはいまいち。
